小学校での英語教育の必修化は2020年度から全面的に実施されました。これを受け、多くの親がそれに応じた教育を行なっていかねばならないことを認識しているでしょう。小学校に入学した時点ですでに英語を学んでいる子どもも多くいることは現実として普通のこととなりつつあり、巷ではたくさんの英語教室や教材があります。
自分の子供には英語を身につけさせてあげたい。早期英語学習
に興味があるけど、実際どうなの?
早期英語教育をさせたいなら、親が知識を持っていることがとても大事よ。メリットとデメリットを知って、メリットを最大に活かせるようにしようね。
この記事では、早期英語教育のメリットとデメリットについて解説します。
早期英語教育のメリット
吸収力の高さ
幼少期は脳が発達しており、言語を含む様々な情報をスポンジのように吸収しやすい時期です。いわゆる臨界期(Critical Period)という考え方です。
臨界期:生理学用語で、人間の脳の発達の幼児期においてある刺激が与えられたとき、その効果が最もよく現れる時期のこと。
言語能力の臨界期は6~7歳。この年齢までに言語にしっかり触れればネイティブに近づくことができ、この時期を過ぎると言語能力の一部が習得されづらくなるという研究報告があります(DeKeyser, 2000)。臨界期まで適切な刺激を与えておけば、その後成長してからもすぐにコツをつかむことができるので、技能の上達が早くなります。
発音の習得
臨界期までの子どもは音声を聞き分ける能力が高く、英語の独特な音やリズムを自然に習得することが可能です。とくに日本人に難しいと言われるRとLの区別、[th]や[f]などの発音しづらい音も、早くから英語を始めた子どもでは理解度が高いと言われています。「音から」英語の「かたまり」で学ぶ方法が効果的であり、成長が進むにつれて文法も交えた概念の理解していくのです。
勉強意識の軽減、異文化コミュケーション能力の向上
幼児期の英語教育は、言語を勉強としてではなく日本語を覚えるような感覚で自然に身につけることができます。これにより、自然と異文化コミュニケーション能力が育まれます。小学校低学年くらいまでであれば、ためらいなく英語の世界に飛び込み、それを楽しもうとするので、モチベーションも保ちやすい面があります。
小学校に入ってから勉学として英語を学習してしまうと、話すなどよりも読み書きの学習に偏ってしまいます。そのため、コミュニケーションとして英語を使うことができません。
中学から高校まで6年間も英語を学んできたママ・パパは英語を話せるようになった?
確かにそんなに長い時間勉強してきたのに、英語を話せるようになっていないよ・・・
早期英語教育のデメリット
言語混乱の可能性
英語に早いうちから触れることで、日本語能力が中途半端になってしまわないか?ということです。特に英語と日本語の両方を話す環境にある子どもは、言語の区別がつきにくくなったり、言語の混合が起こったりすることがあります。これはセミリンガルやダブルリミテッドと呼ばれる現象で、両言語ともに年齢相応のレベルに達していない状態を指します。
子どもが育っていくために『母国語の存在』はとても重要なもの。基礎としての日本語での思考能力は必須となってきます。早期から英語を学ばせるといっても、母国語の存在を基礎としていく考え方を基本に持っておきたいところです。
日本語での思考能力は、日常生活でのコミュニケーションや本の読み聞かせなどから吸収し、自然と育っていくもの。逆に言えば、意識的に日本語でのコミュニケーションや、言葉かけをしていけば早期英語学習を始めても何の問題もありません。『英語力のため』と日本語を排除・軽視せずに、日本語での思考能力を伸ばしてあげることを心がけましょう。v
英語を身に付けさせたいからって、日本語を疎かにしちゃいけないんだね。
そうそう。母国語能力が高ければ高いほど、第二言語の理解も深まるんだよ。
費用と時間の負担
早期英語教育には相当な費用と時間がかかります。英語教育のための教材購入、レッスン料、さらには親の時間的投資など、家庭にとって大きな負担となる可能性があります。英語学習において、目に見える成果が得られるまで2000時間もの時間を要するということが一般的に言われています。英語学習は長期的なモチベーションの維持が必要です。
英語を嫌いになる可能性
また、子どもが興味を持てないのに、無理に英語を学ばせると英語嫌いになる可能性があります。親が英語教育に熱心になるあまり、子どもが英語嫌いになっては本末転倒です。
早期英語教育の目的は、子どもが英語を好きになり、英語を学ぶ意欲を高めること。そのためには、子どもが英語を楽しんで学べる環境や教材に出会えるといいですね!
早期英語教育のメリット・デメリットのまとめ
この記事では早期英語教育のメリットとデメリットについて解説しました。
確かに早期英語教育にはデメリットもありますが、優良な英語教材を選んであげることで、それらをカバーすることができます。加えて、英語教育だけではなく日常の親子のコミュニケーションも意識して取り組んでみましょう!
今は英語を学びながら、日本語の能力も伸ばすことができる教材が増えているよ!
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